今回は「海外カジノ施設・ポーカー大会(WSOP等)でポーカーなどをやる人向けの、外国送金に便利な銀行口座」についての記事になります。
目次
なぜ外国送金を使うの?
なぜポーカー系ブログで外国送金について書くかというと、主にWSOPなどの海外の高額トーナメントに出る際に便利だからです。
多額の外貨現金を国内で調達することは大変ですし、税関申告、盗難など心配することが非常に多いです。
参加費を出すだけならクレジットカードで支払う方法もあるのですが、賞金を「受け取る」ことも考えると、まとまった額であれば外国送金が一番の選択肢になります。
つい最近も友人の1人が、ホテルの部屋に押し入られて全額を盗まれてしまったそうです。(ご本人の許可を得て注意喚起のために掲載させていただきます)
https://twitter.com/shuta__desu/status/1437983322144063489?s=21
アメリカ一安全と言われるラスベガスですらこういうことがあるので、海外で多額の現金を持ち歩くのは絶対にやめましょう。
慣れるまでは結構手間かもしれませんが、一度慣れてしまえば安全なので、是非外国送金の利用を検討してみてください。
外国送金にはどんな銀行口座がいい?
ではポーカー関連の外国送金を行うのに必要なのはどんな口座でしょうか?
私の経験上、必要と思われる機能を挙げていきます。
・仕向送金と被仕向送金を1つの口座で行える
・送金審査が厳しくない
・送金手続きが簡単(郵送・電話・ネットで手続き可能)
・送金限度額が大きい
・コストが安い
・外貨資産を活用する選択肢が多い
順番に詳しく解説します。
仕向送金と被仕向送金を1つの口座で行える
仕向送金とはこちらから相手へ送る送金のことで、被仕向送金とは相手からこちらへ送ってもらう送金のことです。
海外のカジノやWSOPでは、マネーロンダリング対策のため、本人名義の口座からの送金でなければ受け付けてくれませんし、賞金や余ったお金を送り返してもらう際も、送った口座にしか送り返してくれないことが多いです。
そのため、送るときも受け取る時も自分名義の1つの口座で行う必要があります。法人口座からの送金もできません。
これ、実はかなりネックで、国内の手数料が安い外国送金代行サービスがほとんど使えません。
Wiseなど安く送金できることを謳っている多くのサービスは、送る金額分の日本円を業者に支払って「業者が送り主として」送金を行う仕組みなので、名義不一致で受け付けてもらえないためです。
また、銀行が提供するサービスであっても新生銀行のGoレミットなど、仕向送金専用で被仕向送金に対応していないものも多いです。
したがって、昔ながらの「銀行口座を使った外国送金」の中から選ぶ必要があります。
② 送金審査が厳しくない
外国送金では、テロリストへの資金提供や違法に得たお金のロンダリングを防止するため、外為法その他法令に基づく審査があります。
これが非常にやっかいで、あまり外国送金を扱わない地方銀行等に依頼すると、責任問題にならないよう様々な書類を提出するよう要求されることが多いです。例えば、正当な資金源の証明として確定申告書、資金の用途として送金先からの請求書などです。
一方ネット銀行では機械審査で怪しい取引であると疑われると証拠の提出の機会すら与えられず、一律に却下されることが多いです。これは仕向送金だけでなく被仕向送金も同様で、「違法賭博による利益なのでは?」と疑われると、受取も出来ない場合もあります。
日本ではまだまだポーカーについての理解が浅く、このあたりを柔軟に対応してくれる銀行を選ぶ必要があります。
③ 送金手続きが簡単
送金手続きの度に平日9時〜15時に銀行窓口へいくのは手間ですよね。特に地方の支店だと担当者が外国送金になれていないため、時間がかかるだけでなく上述の理由で送金自体できないこともあります。
インターネットや電話・郵送で送金手続きが出来る銀行を選ぶと便利です。
④ 送金限度額が大きい
そもそも外国送金を行うのは、持ち運ぶのが不安に感じるほどの大金を扱う場合が多いため、送金限度額が大きいサービスを選ぶ必要があります。
同じ送金先に少額に分けて送金しようとすると、法規制を迂回していると取られて資金が凍結されることもありますので、限度額が大きいサービスを選びましょう・
⑤ コストが安い
外国送金に関してかかるコストは以下の通りです。
・仕向送金手数料、被仕向送金手数料
外国送金では受け取る際にも被仕向送金手数料がかかる場合があります。
いずれもかからない銀行はあるので手数料が安い銀行を選びましょう。
・中継銀行手数料
外国送金は自分の取引銀行と送金先の銀行が直接コルレス契約(外国送金に関する契約)を結んでいない場合、別のコルレス銀行を中継して送られます。経路を事前に指定することは出来ず、複数のコルレス銀行を経由した結果、高額の中継銀行手数料がかかる場合があります。
対策として多くの銀行とコルレス契約を結んでいる銀行を選ぶことでリスクを軽減することができます。
この点、邦銀ではかつて唯一の外国為替専門銀行だった東京銀行の流れを汲む三菱UFJ銀行が強いですが、メガバンクであればそこまで大きな心配はしなくても大丈夫かと思います。
・為替手数料
日本円の口座で送金をする場合、外貨との両替コストがかかります。
しかし、外貨預金口座を事前に開設し、外貨のまま受け取れば毎回両替しなくてすむため、頻繁に外国送金をする場合は外貨預金口座を開設したほうがよいと思います。
・リフティングチャージ
外貨預金口座で外貨のまま送金をする場合、リフティングチャージと呼ばれる手数料がかかる場合があります。
かからない銀行もあるので、リフティングチャージがかからない銀行を選んだほうがよいでしょう。
全てのコストを勘案して、合計コストが安い口座を選びましょう。
⑥ 外貨資産を活用する選択肢が多い
外貨預金口座を開設して外貨のまま保有する場合、その外貨の使い道は多いほうがよいですよね。
銀行によっては様々な選択肢が用意されています。
・Visaデビットカードで外貨建決済をする際に外貨をそのまま使うことが出来る
・外貨定期預金などで運用する
・FXなどの証拠金として使う
特にポーカープレイヤーとしては、Visaデビットカードでオンラインポーカーへの入金に利用することが出来ると便利ですよね。(オンラインポーカーへのカードでの入金についてはこちらで詳しく比較しています。)
外国送金に便利な銀行口座比較表
では上記を踏まえてどの銀行口座がよいのか?候補を表にまとめてみました。
銀行名 | SMBC信託銀行 | ソニー銀行 | 楽天銀行 | 三菱UFJ銀行 | スルガ銀行 | 地方銀行 | 新生銀行 | 住信SBIネット銀行 | |
① 仕向・被仕向 両方可 |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | × | × | |
② 審査が柔軟 ③ 送金手続き ④ 送金限度額 (円/回) |
ネット/電話 | 〇 500万 |
△ 審査厳 |
△ 100万 |
△ 100万 |
〇 450万 |
× | ||
郵送 | 〇 無制限 |
× | × | × | × | × | |||
窓口 | 〇 無制限 |
× | × | △ 審査厳 |
△ 審査厳 |
△ 審査厳 |
|||
被仕向送金 | 〇 | △ 審査厳 |
△ 審査厳 |
△ 審査厳 |
△ 審査厳 |
△ 審査厳 |
|||
⑤ コスト |
外貨預金で送金 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
仕向送金 (円) | 〇 0〜7000 |
〇 0〜3000 |
〇 750 |
△ 5500〜 |
△ 1万〜 |
△ 高額 |
|||
被仕向送金 (円) | 〇 無料 |
〇 無料 |
△ 2450 |
〇 無料 |
△ 2500 |
△ 有料 |
|||
両替 (円/$) | △ 1.00 |
〇 〜0.15 |
〇 0.25 |
〇 0.25 |
△ 1.00 |
△ 高額 |
|||
⑥ 外貨活用法 |
Visaデビット 外貨預金決済 |
〇 | △ ポーカー不可 |
× | × | × | × |
私はかつては利便性と低コストに惹かれてソニー銀行を使っていましたが、あるときBellagio(ラスベガスのカジノ)に5万ドルを送金しようとしたところ審査が通らず、交渉しようにもとりつく島もない状態でしたので、それ以降はSMBC信託銀行しか選択肢が見当たらない状況です。
やはりなかなか理解が得られづらい分野みたいですね。
結論:海外カジノへの外国送金に最も便利な銀行口座は?
SMBC信託銀行 プレスティア (Prestia)
というわけで、私も使っているSMBC信託銀行のサービスをご紹介します。
SMBC信託銀行はシティバンク銀行のリテール部門(個人向けサービス部門)日本撤退に伴い、SMFG(三井住友フィナンシャルグループ)が買収して生まれ変わった銀行です。
元々外資系銀行だったことから、良くも悪くも日本の多くの銀行とは一線を画すサービスが提供されています。
特に外貨を利用したサービスが非常に充実しています。
・外為に強いフルサービスの銀行(各地に支店もある)
・インターネット、電話、郵送で送金手続き可
・送金審査が厳しくなく、柔軟な対応も望める
・被仕向送金の手数料が無料。送られてきた外貨をそのまま外貨預金に預け入れ可
・仕向送金の手数料も標準的。外貨預金から外貨のまま送金可
・Visaデビットカードで外貨建決済を行う際、外貨預金の残高をそのまま手数料無料で利用可
・取引明細書を英文で発行可能(住所の証明として使える)
一方で注意が必要なのは、海外の銀行でありがちな「口座維持手数料」がかかる場合があることです。
口座維持手数料について
SMBC信託銀行プレスティアでは月額2,200円(税込み)を口座維持手数料として毎月第2営業日にお支払いいただいております。ただし、以下のいずれかの条件を満たす場合、口座維持手数料は無料です。
- 前月※の月間平均総取引残高の外貨部分が20万円相当額以上
- 前月※の月間平均総取引残高が50万円相当額以上
- 前月※末時点でローン商品のお借入れがあること(プレスティア マルチマネークレジットは除く)
- 前月※最終営業日の当行所定の時点でプレスティア マルチマネークレジットのお借入があること
- 前月※25日(25日が土・日・祝休日の場合は前営業日)時点でSMBC信託銀行の提携クレジットカードの会員であること
- 外貨積立サービスの初回引落しがあった月の翌月以降、一定の積立がされていること
また、預け入れ資産1000万円以上の方にはPrestia Goldのステータスが付与され、通常7000円かかる仕向送金手数料など各種手数料が無料になるほか、Visaデビット利用時のキャッシュバック率が1%に上がるなど数多くの特典があります。
外国送金は手間もかかるし手数料も高額ですが、盗難にあって全て失うよりはマシです(経験あり)。
高額バイインの海外トーナメントに参加される方は一度検討されてみてください。
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